カザン:決勝レース後 パイロットリアクション

Red Bull Air Raceロシアデビュー戦は北米トリオが表彰台を独占した

Chambliss and Goulian celebrate

Red Bull Air Race World Championship 2017シーズン第5戦カザンには、パイロンヒット、ペナルティ、素晴らしいフライトと、このスポーツの全てが詰まっていた。北米出身のパイロット3名が表彰台を独占し、チャレンジャークラス出身のパイロット4名がラウンド・オブ・8進出を果たしたカザンは記憶に残るレースとなった。また、ロシアデビュー戦となったこのレースはパイロットたちの記憶にも残るだろう。決勝レースを終えたマスタークラスパイロット14名のコメントを紹介する。

 

1位:カービー・チャンブリス

興奮している。正直に言えば、ファイナル4に進出できればそれで良いと思っていた。優勝するとは思っていなかった。個人的にはラウンド・オブ・14でマティアス(ドルダラー)に勝てたのが何よりも嬉しかった。彼がパイロンヒットを記録したのを知って、気楽に飛ぼうと思ったが、自分もパイロンヒットをしてしまった。レーストラックの先を見過ぎていたのが原因だろう。パイロンヒットを記録してしまったので、勝つためには全力でフライトしなければならないと思った。がむしゃらにフライトした。あらゆるリスクを負い、最終的に0.070秒差で勝利できた。最後に総合首位に立ったのは、ワールドチャンピオンを獲得した2006シーズンだ。全員がポイントを意識している。それはそれで素晴らしいことだが、自分はポイントを意識していない。とにかく継続してレースに勝ち、表彰台に上ることだけを考えている。それができればタイトルを獲得できるはずだ。

 

2位:ピート・マクロード

2位という結果には満足しなければならない。ペナルティを受けたのは分かっていた。むしろ、あそこでパイロンヒットしなかったことが今週のベストパフォーマンスだった。ヒットしなくて済んだことに今でも驚いている。ヒットしなかったおかげで2秒稼げ、2位に入ることができた。良い週末だった。機体は仕上がっているので、これからも上を狙っていきたい。自分自身も良いパフォーマンスができている。機体の中で好感触が得られている。第6戦ポルトで結果を出せる可能性は十分にある。

 

3位:マイケル・グーリアン

表彰台に再び立てたのは嬉しい。今シーズンはスピードが出せていたが、ラウンド・オブ・8から先に進めていなかった。今日はクレイジーなスタートだった。いきなりゲート4でパイロンヒットをしてしまった。ファイナル4ではパイロンヒットをしないこと、守りのフライトをすることを意識していた。守りのフライトだったが、自分たちに好結果をもたらしてくれた。ロシアは最高の開催地だ。美しいロシア、素晴らしいカザンでフライトをする日が来るとは思ってもいなかった。夢のような最高の週末だった。

 

4位:ペトル・コプシュタイン

プレッシャーは感じていなかった。リスクを最大限負わなければファイナル4の他の3人には勝てないと思っていただけだ。最終的には結果に繋がらなかったが、自分のタイムには満足している。狙い通りだった。カザンのレーストラックは自分のスタイルに合っていなかった。ファイナル4がそれを如実に示している。スピードを出すためにはかなりのリスクを負わなければならない。そして、リスクを負えばパイロンヒットの可能性が高くなる。これが自分に起きたことだ。パイロンヒットの可能性がある中で攻め、パイロンヒットをしてしまった。しかし、タイムには満足している。スピードが出せた。全て計画通りだった。

 

5位:フアン・ベラルデ

今日は難しいレースだった。特に前半はくじ引きのようなものだった。レースに負けたこと、特にファイナル4進出のチャンスを逃したことは残念だが、内容は悪くなかった。酷かった部分を帳消しにできたと思うので満足したい。ラウンド・オブ・8で対戦したペトル(コプシュタイン)は良い友人であり、旧知の仲なので、負けてもそこまで悔しくなかったが、次に対戦する時は勝てるようにベストを尽くすつもりだ。

 

6位:マット・ホール

今日のフライトには満足していない。機体に振り回されていた。操縦面をまだまだ調整しなければならない。雨天時の挙動を理解できるほど乗れていない。十分な時間をトレーニングに割いて、レーストラック上で機体に振り回されないようにしたい。カザンのレーストラックはパイロンヒットが起きるようにデザインされていた。ベストラインをなぞれば好タイムが出せる一方、ラインから外れてもパイロンヒットが起きない、これが理想のレーストラックだ。しかし、カザンのレーストラックは、ラインから外れたり、風が特定の方向から吹いたりすると、パイロンヒットが不可避になってしまう。このチャレンジに前向きに取り組んだが、結果を出せなかった。これからの自分たちに注目してもらいたい。最後は表彰台に上るつもりだ。機体を仕上げる時間が必要なだけだ。

 

7位:フランソワ・ルボット

相手がマルティン(ソンカ)だということを意識しないこと、これがラウンド・オブ・14突破の唯一の条件だった。それが実行できた。レーストラックはゲート3とゲート4が非常にチャレンジングだった。タイムを伸ばすためには、ゲート3からゲート4のラインを直線にする必要がある。そして、直線にすればゲート4への進入角度がタイトになる。ラウンド・オブ・8はそのリスクを負ったためにミスをしてしまったが、ミスは学習機会になる。今日は多くを学ぶことができた。まだ機体に慣れている段階だが、この機体には伸びしろがある。もっと速くなるはずだ。

 

8位:クリスチャン・ボルトン

ラウンド・オブ・14は、クリーンなフライトでニコラス(イワノフ)にプレッシャーをかけることを狙っていた。自分たちの機体はクリーンなフライトをしても遅い。これがラウンド・オブ・8ではスタートゲート通過速度でペナルティを受けた理由だ。勝つためには200ノットギリギリで通過する必要があった。美しいカザンをフライトできるチャンスが得られたのは嬉しい。人は素晴らしく、レーストラックも面白かった。自分たちの目標としている結果が出せて嬉しく思っている。

 

9位:マルティン・ソンカ

今日は雨と悪天候に尽きる。機体の空力が完全に変わってしまった。翼が濡れてしまったために数回ストールしてしまった。慎重なフライトをする必要があった。ロシアでレースが開催できたのは素晴らしいことだ。美しい開催地だと思う。しかし、自分たちの結果には満足していない。次で挽回したい。

 

10位:マティアス・ドルダラー

毎日天候が異なっていた。好天に恵まれたかと思えば、翌日は雨に降られた。天候が変わるとラインを変更しなければならないので難しい。シケインの最初のパイロンを通過した時に良いラインが取れたと思ったので、攻めてタイムを稼ごうとした。それが上手くいかなかった。おそらく数センチのミスだ。しかし、このようなミスは起こりえる。残りのフライトは問題なかった。タイトル争いは混戦模様を呈している。今はピート(マクロード)が好調だが、このあと勝てるかどうかは分からない。ほんのコンマ数秒が勝敗を分ける。メンタルをいかに保つかだ。何が起きるかはまだ分からない。総合首位に返り咲きたいと思っている。

 

11位:ニコラス・イワノフ

名前から分かる通り、ロシアをルーツに持っているので、大勢のファンが駆けつけてくれた。祖父がロシア人だったので、ホームレースのようなものだ。レーストラックの視界は問題なかったが、とにかくコンディションが悪かったので、最後のゲートでミスをしてしまった。このようなコンディションでは機体の挙動が大きく変わってくる。卵の上を歩くようなデリケートな操縦が必要になる。しかし、カザンのようなレーストラックは面白い。複数のラインが試せるからだ。来シーズンもロシアの空を飛べればと思っている。

 

12位:ミカエル・ブラジョー

今日の天候は非常にチャレンジングだった。航空は経験がものを言う世界だ。今日は経験を積んでスキルを伸ばす良いチャンスになった。ポジティブに捉えている。カザンのレーストラックは簡単そうに見えるが、そのようなレーストラックではどのパイロットもリスクを負って限界までプッシュしようとする。パイロンヒットが数多く記録されたのはこれが理由だ。

 

13位:室屋義秀

上空で待機している時に雨がかなり強く降っていました。また、レーストラックに向けて雲が邪魔になっていることにも気付きました。これらに意識を取られてしまい、レーストラック上で集中できませんでした。残念です。このスポーツもフライトも好きですが、今日は天候に振り回されてしまいました。好天時のロシアの空を飛ぶのは非常に楽しかったです。

 

14位:ピーター・ポドランセック

今日は昨日よりコンディションが悪かった。このようなコンディションでのフライトがどうなるのかは簡単に想像できるだろう。今日は限界を超えてしまった。