マクロード:計画通りの進化

2017シーズンにカナダ人パイロットが見せている大活躍の要因を探る

McLed on his way to second

2017シーズンが折り返しを迎えた7月18日現在、ピート・マクロードは総合3位につけている。ロシア・カザンから始まるシーズン後半4戦を前に、彼は絶好調の状態にあるようだ。

第4戦ブダペストで見せたマクロードのパフォーマンスはほぼ完璧に近い内容だった。彼は2位に0.5秒近い大差をつけて予選をトップ通過し、決勝レース日もフアン・ベラルデとミカエル・ブラジョーを次々と撃破してファイナル4進出を決めた。

マクロードはファイナル4でも攻めのフライトを続け、優勝したカービー・チャンブリスに僅か0.1秒遅れの1分00秒740を記録。この結果、マクロードは2位表彰台を獲得した(2位はキャリア初)。開幕戦アブダビで3位を記録し、第2戦サンディエゴと第3戦千葉も確実にポイントを重ねていたマクロードは、第4戦ブダペスト終了時点でキャリア最高位となる総合3位につけている。

しかし、ここまでの道のりは簡単ではなかった。また、マクロードは今シーズンが希に見るタフなシーズンだということも理解している。「ブダペストはライバルたちがどれだけハードにプッシュしてくるのかが問題だった」とマクロードはブダペストのレース後にコメントした。「最終的にトップから0.1秒という僅差で2位を獲得できて興奮している。週末を通じて機体はかなり速かった。チームが懸命に仕事をしてくれたおかげでパーフェクトにフライトできる機体を用意できた。文句のつけようがない」

マクロードは、ブダペストでの2位表彰台はチーム全体の努力による賜物だと考えている。「自分たちのストラテジーに従ったまでだ。ブダペストのレーストラックで1分以内を目指すには、オーバーGやゲート通過姿勢違反のリスクを負って攻める必要があった。タイムが落ちることを承知でスピードを緩めたセクションもあったが、攻める姿勢は崩さなかった。しかし、優勝したカービーがかなりハードに攻めていたので、あと一歩及ばなかった」とマクロードは説明する。

↑写真)チームと共に成長を続けるマクロード   ©Balazs Gardi/RBAR

7月22・23日に開催される第5戦カザン(ロシア)に向けてマクロードは十分な自信を得ているが、まだ成長過程にある。Red Bull Air Race World Championshipが2014年に再開して以来、マクロードは日々成長を続けており、注目されるパイロットのひとりであり続けている。これは彼の狙い通りの展開だ。もちろん優勝も狙っているが焦ってはいない。彼は独自のストラテジーを用意しているのだ。そして今シーズンはそれが結果として出るようになっている。「変化は偶然起きるものではない。数シーズン前からチームは安定性の向上に努めている」とマクロードは語る。「2シーズン前はスピード不足が明らかだった。だからまずは自分自身のフライトに集中し、フライト内容の改善に着手した。自分のスタイルを少し変えた。それからフライトデータを精査し、機体のどこを改良すれば良い結果が得られるのかをチーム全体で研究した。そして今シーズンはスポンサー予算を多少得られたので、機体にいくつかの改良を施せた」

マクロードは最後にこうコメントしている。「このスポーツではパイロットと機体のコンビネーションが重要だ。最速のパイロットでも遅い機体では勝てない。かつての自分がそうだったと言いたいわけではないが、今は速い機体が手に入ったので、以前よりも堅実なラインを選べるようになった。常にアグレッシブに攻める必要がなくなった。ポール・ボノムと一緒にビールを飲めば、必ずこう言われるはずだ。『必要なのは速い機体だ』とね」

 

■Information

2017シーズン後半戦のスタートとなる第5戦カザンは7月22日、23日に開催。Red Bull TVによるライブストリーミングはこちら>>