ピーター・ポドランセック:力強く勝ち取った初表彰台

スロベニア出身パイロットがキャリア初表彰台を振り返る

第2戦サンディエゴで、マット・ホールをラウンド・オブ・14、そしてマイケル・グーリアンをラウンド・オブ・8で下したピーター・ポドランセックを、Red Bull Air Raceの中継コメンテーターたちは "ジャイアント・キラー" と賞賛した。

しかし、彼の勢いはファイナル4でも止まらなかった。このスロベニア人パイロットはファイナル4でレース優勝経験者(室屋義秀)、2度のワールドチャンピオン経験者(カービー・チャンブリス)、そして現在のワールドチャンピオン(マティアス・ドルダラー)という強豪たちと対峙しつつも平常心をキープし、見事2位の座を射止めた。マスタークラス参戦開始からわずか10戦目での表彰台登壇は快挙と言えるものだった。

そのファイナル4は室屋がトップタイムを記録して優勝したが、ドルダラーとチャンブリスが共にペナルティを記録し脱落したことで、ポドランセックにキャリア初の表彰台がもたらされた。この望外の結果に、レース後のポドランセックは言葉を失っていた。「まるで夢のようだ。今の心情は言葉では到底表せない」と彼は語り、「今回がこの気分を味わえる最後の機会にならないことを願っている」と続けた。

キャリア初の表彰台へと自身を押し上げた要因としてポドランセックがまず指摘したのは、彼を支える優れたチームだ。ポドランセックのチームは一丸となって彼のために戦っている。「チームと友人たちの支えがなければ、きっと表彰台には立ててはいなかっただろう。彼らのことをこの上なく誇りに感じている」

ポドランセックは第2戦サンディエゴ終了時点で12ポイントを獲得しており、彼が2016シーズンを通じて得た総合ポイントを既に8ポイントも上回っている。これは彼がいかに多大な努力を重ねてきたのかを示すと同時に、今シーズンの彼が強力な存在になり得ることも示しているが、本人はレースに対する慎重な姿勢を崩していない。「最速ラインを見出すためのプランを用意したが、それが成功した。プラン通りに進めただけだ。ラウンド・オブ・8とファイナル4では、限界領域でフライトしないように心がけた。限界を攻めればペナルティを記録する可能性が高まる」とポドランセックは説明する。

サンディエゴでのレース後に誰もがポドランセックに訊ねた質問のひとつが、彼のEdge 540に装着された特徴的なウイングレットについてだった。ポドランセックは他のパイロットと全く異なる、先端が下方に向けられたウイングレットを採用している。この独創的なデザインの導入当時、ライバル勢はその効果を疑問視していたが、今回のポドランセックの好結果を見て彼らも考えを改めるかもしれない。ポドランセックは最後に次のようなコメントを残している。「昨年のブダペストでこのウイングレットを導入した時、一部の人は嘲笑していた。しかし、今笑っている人はひとりもいないだろう。このウイングレットは非常に効果的だ。装着した機体に慣れるにはかなりの時間が必要だったが、徐々に扱えるようになっている。このウイングレットで勝利を狙っていく。ライバルたちの真似をしていては勝利できない」

 

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