千葉:ラウンド・オブ・14 プレビュー

決勝レース日初戦のレース展開を予想する

Ivanoff will be first in the track

Red Bull Air Race World Championship 2017シーズン第3戦千葉が決勝レース日を迎えた。決勝レース日はトーナメント形式のためミスは許されない。パイロットのひとつの操作が勝敗を分けることになる。緊張と興奮が渦巻く熱戦の火ぶたを切るラウンド・オブ・14のレース展開を予想していこう。

 

【ヒート1】
ニコラス・イワノフ vs マット・ホール

決勝レース日のレーストラックを最初にフライトするのは簡単ではない。今年の千葉はニコラス・イワノフがその役を担う。フリープラクティスでまずまずのパフォーマンスを披露していたイワノフだったが、予選ではレーストラックの攻略に苦労した。ラウンド・オブ・14ではクリーンなフライトを先に披露してマット・ホールにプレッシャーをかけたいはずだ。ホールはフリープラクティス3でトップタイムを記録し、続く予選も5位と千葉に入ってから好調を維持している。ホール本人は機体を限界までプッシュするつもりはないとしているが、この対戦はホール優位と言えるだろう。

 

【ヒート2】
ペトル・コプシュタイン vs 室屋義秀

コプシュタインのフライトは、元ワールドチャンピオン、ポール・ボノムの精度とスムースなフライトが引き合いに出されるほど高いレベルにある。コプシュタインはレースごとに成長している優秀なパイロットだが、今年の千葉ではホームヒーロー室屋義秀の対戦相手として悪役の立場に回る。2016シーズンの千葉で優勝している室屋は、2017シーズン第2戦サンディエゴで優勝しており、ホームレース2連勝・シーズン2連勝のダブルを狙う。室屋が好調を維持できれば、日本の英雄を倒すのは難しいだろう。

 

【ヒート3】
フアン・ベラルデ vs カービー・チャンブリス

このヒートは接戦になるだろう。ベラルデとチャンブリスの予選のタイムは0.4秒しか離れていない。お互いにレーストラックの攻略に苦しんでおり、ベラルデはフリープラクティス4でDNFを記録し、チャンブリスは予選の1本目でセーフティラインを越えてDQになったが、両パイロット共にこのヒートに向けて調整してくるだろう。今年の千葉は2人のシーズンの行方を占う大事なレースになるはずだ。

 

【ヒート4】
ミカエル・ブラジョー vs マルティン・ソンカ

2017シーズンからマスタークラスに昇格したばかりのミカエル・ブラジョーはフリープラクティス4で好タイムを記録するなど才能を随所で発揮しており、ファンの注目を徐々に集めている。しかし、マルティン・ソンカを倒すためにはいつも以上の集中力とスピードを発揮する必要がある。ブラジョー本人はソンカ戦に自信を持っているが、現在総合首位に立つソンカはベストフォームに戻りつつある。今日のソンカが昨日のフリープラクティス4で記録したコースレコードを再現するようなフライトを披露する場合は、確実に上位まで進出するだろう。

 

【ヒート5】
ピーター・ポドランセック vs マイケル・グーリアン

予選での2人のタイム差はわずか0.066秒しかない。しかし、共に千葉のレーストラックは自分の好みだとコメントしているものの、揃って攻略に苦しんでいる。テクニカルな千葉のレーストラックを冷静にフライトできるかどうかが勝負の分かれ目になるだろう。

 

【ヒート6】
クリスチャン・ボルトン vs マティアス・ドルダラー

クリスチャン・ボルトンはまだマスタークラスに慣れている段階だが、非常に美しいフライトと勝利への意志の強さで、既にファンの間で高い人気を誇っている。しかし、2017シーズンの千葉では現ワールドチャンピオンといきなり対戦するため、ボルトンにはいつも以上のハードワークが求められる。ドルダラーはフリープラクティスと予選で力強いフライトを披露しており、千葉でも相変わらずの強さを見せている。ドルダラーは予選2本目の途中でレーストラックから離脱したものの、どこに問題があったのかは既に把握しており、その修正方法も知っている。フライトごとにタイムを延ばしてきているドルダラーは2016シーズンの好調を取り戻しつつある。

 

【ヒート7】
フランソワ・ルボット vs ピート・マクロード

ルボットは千葉での自分のフライトに満足しているが、現時点では勝てないことも理解している。他と比べて遅い機体に搭乗しているルボットは、ラインを丁寧に追いながら、機体に無理をさせないフライトをするしかない。第4戦ブダペストで新機体を手に入れたあとは、これまでとは違うルボットが見られるはずだが、今のルボットではラウンド・オブ・14の突破は難しいだろう。ピート・マクロードは予選2本で攻めのフライトをノーペナルティで披露しており、ラウンド・オブ・14でもこの調子を維持するはずだ。

 

千葉:ラウンド・オブ・14 対戦表