3度目の正直なるか? 地元優勝を狙うアルヒ

第2戦シュピールベルクはハンネス・アルヒの地元でもある。2シーズン連続で地元優勝を逃したアルヒに3度目の正直は訪れるのだろうか?

Hannes Arch in his cockpit

4月末になれば、14人のマスタークラスのパイロットたちがオーストリア・シュピールベルクのレッドブル・リンクを舞台にアドレナリン全開のレースを繰り広げることになるが、地元出身のハンネス・アルヒにとっては地元優勝を目指す3回目のチャレンジとなる。アルヒは2014シーズン、2015シーズンと2年連続で地元優勝を逃してきた。

両シーズン共にアルヒには多くの期待が寄せられ、大きな声援が送られたが、アルヒは彼らの目の前で優勝を飾れていない。2014シーズンのシュピールベルクはワールドチャンピオンの称号を懸けたアルヒとナイジェル・ラムの一騎打ちとなった。週末を通じて素晴らしいパフォーマンスを繰り広げていたアルヒは好タイムを次々と叩き出していたため、優勝は間違いないとみられていたが、迎えたファイナル4のゲート7で集中力を欠いて2秒のペナルティを受けてしまい、4位に終わった。

アルヒ本人が何よりも払拭したいのは翌2015シーズンの失敗だろう。2015シーズンのアルヒは、ラウンド・オブ・14でカービー・チャンブリスに破れてしまったのだ。スタートゲートで失敗したアルヒは、その後なんとか持ち直そうとしたが、結局SCO(Safety Climb Out・飛行中止)となってしまった。アルヒは地元の大観衆の前で早々に敗退した屈辱を味わったばかりか、ワールドチャンピオンの可能性も失うことになった。

しかし、2016シーズンのシュピールベルクは、アルヒにとってフレッシュなレースになる可能性が高い。今年はワールドチャンピオン争いも本格化していない第2戦で迎えるため、アルヒにかかるプレッシャーは過去2シーズンよりも少ないはずだ。

また、時としてパイロットにとって障害となる地元の声援も、アルヒにとっては励みになるようだ。アルヒは「応援してくれる大観衆が後ろについてくれているのは最高だ。レーストラックに出るとみんなのエナジーを感じられる」と説明している。

更に「山男」であるアルヒにとって、自宅からわずか30km強の山の中に位置するシュピールベルクは慣れ親しんだ環境であり、不必要なプレッシャーを上手く取り除いてくれるだろう。

頻繁に山に出掛けることで知られているアルヒは、時間を見つけては山に登って集中力やモチベーションを高めるトレーニングを行っている。アルヒは「ホームレースは他のレースよりも厳しくなる。自分にプレッシャーをかけるからね。プレッシャーがかかった状態は好きだからさ。でも、それに耐えられるエナジーを蓄えておく必要がある。エナジーを正しいレベルに調整しておくことが非常に重要だ」とレースに向けた準備について説明している。

2016シーズンのシュピールベルクで、アルヒはそのエナジーと共に集中力を保ちながら、コックピット内外の様々なチャレンジに立ち向かうことになる。地元からの大きな期待に応えて結果を出し、2015シーズンのミスと2年連続で表彰台を逃した失意を乗り越えたいアルヒに、果たして3度目の正直は訪れるのだろうか? シュピールベルクの戦いに注目したい。