アスコット:レーストラックの特徴

伝統の一戦で使用されるレーストラックをレースディレクターが解説した

Lamb in the Ascot track

シーズン後半戦を迎えるRed Bull Air Race World Championshipは盛り上がりを見せてきている。その後半戦の初戦となる第5戦アスコットのレーストラックはスタートゲートの代わりに滑走路からスタートするというユニークなデザインで知られる。

 

しかし、その滑走路からゲート1へ向かうそのユニークな仕様だけがこのレーストラックが提供するチャレンジではない。レースディレクターのスティーブ・ジョーンズが解説する。

「離陸してゲート1へ向けて高度を上げたあと、パイロットたちは内蔵の筋肉を引き締める必要がある。ゲート2でいきなりバーチカルターンが待っているからだ。離陸したばかりなのでトップスピードには達していないが、それでも8Gはかかることになるので、しっかりとした準備が必要だ」

その後、ゲート3を抜けて右へ大きくターンしてシケインに突入する頃には機体はトップスピードになっている。この右へのハードターンはパーフェクトなラインで進入し、効率の良いフライトを披露する必要がある。ここで不必要なライン修正をしてしまえば、スピードが落ち、タイムも失う。

ジョーンズが続ける。「シケインではキャノピーをできるだけパイロンに近づけながら、タイトに抜ける必要がある。シケインを抜けたあとも油断は禁物だ。シケインを抜ければ再び右へのハードターンが待っているので、ゲート5に向けて操縦桿をしっかりとコントロールしなければならない」

ゲート5を抜けると、2つめのバーチカルターンとなるゲート6が待っている。ここはすぐに機体の姿勢を戻さなければならないため、多くのパイロットたちはバーチカルターンではなく右へのハードターンで切り抜けようとするが、どのラインが正解なのかはタイムが出てみないことには分からない。

ジョーンズはこのゲート6について「トレーニングと予選を通じてパーフェクトなラインを見つけることが重要だ。このセクションで勝負が決まると言っても良いだろう」と説明している。その後、パイロットたちはコースを逆に辿っていくことになるが、最初に待ち構えるゲート7はシケインへの入り口として非常に重要な意味を持っている。復路のシケインも無駄のないスムースなフライトでスピードを保ちながら中央を抜けていく必要があるため、このセクションでは集中力が求められる。そしてシケインのあとに待つゲート9を抜ければ、3回目のバーチカルターンを迎える。ここはパイロットたちにとってはタイムを稼げるラストチャンスになる。

「ここでスピードを出すには機体の主翼を限界まで傾ける必要があるので、パイロットたちは100%集中しなければならない。バーチカルターンを終えても油断はできない。操縦桿を操作して機体をハーフロールの状態に戻しながら最後のゲート11へ向かっていく。ここでは高度を保つことを意識したい。そして、スムースでストレートなラインを維持しながらフィニッシュゲートを抜ける。これでようやくリラックスだ」

アスコットのレースは天候も大きく作用する。8月の平均気温は21度だが、気温が下がる可能性もある。気温が下がれば大気密度が下がるため、好タイムが連発されるレース展開になる。アスコットを得意としてきた地元出身のポール・ボノムが引退したことから、新たな王者が生まれるチャンスが大きくなった今年のアスコットの戦いに期待したい。

第5戦アスコットはredbullairrace.com/liveおよびRed Bull TVで生中継される。チケットの購入はこちらから>>