ドルダラー:圧倒的な強さの秘密

ドイツ人パイロットが第7戦インディアナポリス戦を振り返った

Dolderer wins in Indy

マティアス・ドルダラーがインディアナポリス・モーター・スピードウェイのフィニッシュゲートを通過した瞬間、彼は少なくとも3つの理由から歴史に名を残すことになった。1つ目はモータースポーツの聖地インディアナポリス・モーター・スピードウェイで初めて優勝したパイロットになったということ。2つ目はドイツ人初のワールドチャンピオンになったということ。そして3つ目は最終戦を迎える前にタイトルを獲得した初めてのパイロットになったということだ。

これだけの記録を打ち立てたドルダラーが歓喜するのは無理もない話だが、レース後の彼は非常にクールで冷静なままだった。そして、レースへの取り組みもこれまでと同じだった。「レースへのアプローチはいつもと同じだった。大空へ飛び出して、先を考えすぎずに1本ずつ楽しんで飛ぶことだけを考えていた」

しかし、常に冷静なドイツ人パイロットのドルダラーでもさすがに今回は気持ちをしっかりと落ち着かせてからレースに臨まなければならなかったようだ。「ここで勝てたらどうなるのか、つまりワールドチャンピオンになるというイメージを意識しないようにするのは難しかった。頭の中からそのようなイメージを取り払って、1本ずつ集中するように努力した。ラウンド・オブ・14を終えたあとは、ファイナル4を意識せず、ラウンド・オブ・8だけを考えていた。ファイナル4に進出したあと、マット(ホール)のタイムは耳に入っていたが、彼がパイロンヒットをしたのかどうかは知らなかった。自分の中ではどう攻めよう? 安全に飛んで2位、3位を狙うべきなのか? と考えたが、ピート(マクロード)とナイジェル(ラム)のタイムを知らなかったので、やってやろう! 楽しもう! と考えた。それが上手くいった」

今シーズンのドルダラーは昨シーズンとは完全に違うパイロットだった。今シーズンの彼は勝利を強く意識していた。「どのスポーツでも、成功を収めている先人たちを参考にする。よって、最初は彼らがどうやって成功を収めたのかを分析しようとしていた。しかし、他のパイロットたちと同じで、ペナルティを乗り越えられない時期があった。フライトをする前からペナルティを受けることが分かっているような感じだった」


「それで、昨シーズンの途中で機体に変更を加えることにした。空力を調整して、ウィングレットを装着し、電子系統も入れ替えた。正しいハードウェア類を用意することは、勝利に繋がる大きな要素のひとつだ。そのあとで、チームと一緒にワールドチャンピオンになるには何が必要なのかを考えた。ビジネスのスタートアップと同じで、あらゆる部分について見直した。ハードワークをこなし、沢山の人たちの意見を取り入れた。シークレットなので詳しくは明かせないが」

このような努力がインディアナポリスでついに実を結び、シーズン3勝目を挙げると共にワールドチャンピオンにも輝くことができた。「大きなプレッシャーから解放された。ワールドチャンピオンというゴールを設定していたが、シーズンを通じてそのゴールを意識し続けるのは難しかった。ファイナル4を終えたあと、ジミー(ディマッテオ/レースディレクター)からタイムを聞くのが待ちきれなかった。ナイジェルとピートのタイムを知らなかったので、タイムを聞いた時は本当に驚いたし、嬉しかった。今は本当に嬉しい気持ちで一杯だ。ラスベガスは目一杯楽しみたい。そして可能ならば4勝目も狙いたい」

 

モータースポーツを愛するドルダラー