怪我からの復活を目指すマット・ホール

優勝候補のオーストラリア人パイロットが怪我の影響で下位に沈んだ第2戦シュピールベルクからの復活を目指している。

Matt Hall in the cockpit of his MXS-R

マット・ホールは第2戦シュピールベルクで怪我に見舞われたこともあり、優勝候補でありながら2016シーズンはスロースタートを強いられている。

2015シーズン、マット・ホールはRed Bull Air Race World Championshipで快進撃を続け、この年のワールドチャンピオンになったポール・ボノムを最後の最後まで苦しめた。しかし、2016シーズンはこれまで苦戦を強いられており、第2戦を終えた段階で獲得したポイントはわずか8で、総合順位も8位に沈んでいる。

第2戦のシュピールベルクではトレーニングと予選でトップ3に入ったが、肝心の決勝レースでは伸び悩み、ラウンド・オブ・8でピート・マクロードに0.330秒遅れてファイナル4進出を逃した。しかし、好調だったトレーニングと予選からの突然のパフォーマンスの低下には、集中力の欠如や操縦ミス以外にも原因があった。

元空軍パイロットのホールは決勝レースで肩甲骨、首、背中に痛みを抱えていたのだ。日常生活においてはたいした問題ではないと見なされるこれらの痛みだが、Red Bull Air Raceを戦う機体には10Gがかかるため、ちょっとした痛みが何十倍もの痛みに変わる。

ホールは「痛みを言い訳にするつもりはないが、Gがかかる中での操縦に影響を与えたのは間違いない」と振り返り、「痛みがなければ良い結果が出せたのか? それは分からないし、終わったことなので考えても仕方がない。次のレースのことだけを考えている」と続けている。

 

ホールが怪我をしたのは今回が初めてではない。ホールは昨シーズンのフォートワースでも同じ部分を痛めて治療を受けた経験があり、他のパイロットと同様、理学療法とカイロプラクティック治療を定期的に受けながら、Gフォースと世界を転戦する長距離移動に耐えられるように自分の体をメンテナンスしてきた。今後は首・肩甲骨・背中に特化したトレーニングをこなしながら、治療を続けていく予定だ。

「シュピールベルクでは、Red Bull Air Raceの専属理学療法士のダニエル・ローズが素晴らしい治療をしてくれたので、決勝レースでフライトができた。本当に感謝している。今は地元に戻っているので、この先数週間は背中の強化に取り組んで、痛みを取り除いていくつもりだ」

ホールのチームは、今回の痛みは長距離移動と機体のシートポジションの微調整が組み合わさって引き起こされたものだと考えている。シュピールベルクではシートポジションをわずかに前にずらしただけだったが、Gフォースがそのわずかな差を増幅させ、背中への負荷を大きくしてしまったのだ。

そのため、チームは千葉に向けシートポジションを再調整する予定だが、オペレーション・マネージャーのデイブ・リオルは、ホールは地元に戻ってから順調に回復しており、特に問題もなく航空ショーをこなしたと報告しており、状況は好転している。そして、当然ながらホール本人も千葉に向けて気合いが入っており、ワールドチャンピオンを視野に捉える準備は整いつつあるようだ。

「健康な体で千葉に到着することが4月の僕の第1目標だ。あらゆる問題を解決できる自信があるし、千葉はベストに近い状態で臨めると思う」と、ホール自身も第3戦に向け意気込みを見せる。

 

◆INFORMAITON

Red Bull Air Race第3戦は、千葉県の幕張海浜公園で6月4日/5日に開催。redbullairrace.com/liveで生中継される。チケットの購入はこちら>>