ポール・ボノム:開幕戦アブダビ上位3名を評価

3度のワールドチャンピオンを経験したレジェンドが開幕戦トップ3のレース内容を分析する

Race winner Michael Goulian

ポール・ボノムが、2018シーズンのRed Bull Air Race World Championship開幕戦アブダビで表彰台に登壇したトップ3、カービー・チャンブリス、室屋義秀、マイケル・グーリアンのレース内容を評価した。

 

3位:カービー・チャンブリス

チャンブリスは当初4位でレースを終えたが、マルティン・ソンカの失格処分で3位に繰り上がった。チャンブリスはラウンド・オブ・14でフランソワ・ルボットを、そしてラウンド・オブ・14でミカエル・ブラジョーを下してファイナル4進出を果たした。

「カービーの開幕戦は興味深かった。彼のフリープラクティスは散々な出来で、多くのミスがあった。しかし、3回目のフリープラクティスまでに彼のタイムは持ち直し、予選になるとすっかりリラックスしているように見えた。安定性もある程度感じられた(Q1とQ2のタイム差は100分の1以内だった)。全体を見れば彼は予選トップレベルから1秒遅れだったが、予選はポイントが付与されないので別に悪いことではない。彼にとって重要だったのはラウンド・オブ・14で良いフライト順を得ることで、その目標はクリアしていた。また、ラウンド・オブ・8は、豊富なレース経験を活かしてミカ(ブラジョー)を相手に全く動じなかった。ファイナル4はカービーにしては遅く、トップに遅れをとっていた。VTM(バーチカルターンマニューバ)では守りすぎているように見えたが、レースウィーク前半でDNFを記録していたせいかもしれない」

 

2位:室屋義秀

前年のワールドチャンピオンを獲得した室屋の王座防衛に向けた第一歩には大きな注目が集まった。しかし、この日本人パイロットはそのようなプレッシャーを全く感じていなかったようだ。

「いやはや、開幕戦のヨシはとにかく素晴らしかった。昨年ワールドチャンピオンを獲得した事実を過去のものとして割り切っているようだ。また、彼は勝利を望んでいる自分に気付いており、勝利を繰り返したいと思っている。だからこそ、彼はゼロからスタートしたかのような貪欲なパフォーマンスを見せている」

「戦術的にはパーフェクトなレースだった。ラウンド・オブ・14では先にフライトしたピート・マクロードがDNFを記録したが、それでもヨシは全く手を抜かず、ラウンド最速タイムを叩き出した。あれは素晴らしかった。昨シーズンも同じシチュエーションになったことがあったが、あの時はラウンド・オブ・14を無難にフライトし、次のラウンドでミスをして敗退した。この経験を覚えていて、"あえて遅くフライトする" ことを避けたのではないだろうか。なぜなら、遅いフライトをすれば次のラウンドに向けたリズムが失われてしまうリスクがあるからだ。ヨシはリラックスしていれば速いタイムが出せることを証明していた。ファイナル4はグーリアンから0.290秒遅れで2位に終わったが、フライト順が最後だったことを考えると素晴らしいタイムだったと言える」

 

優勝:マイケル・グーリアン

グーリアンは初日からレースデイまで終始好調なパフォーマンスを見せていた。フリープラクティスや予選で爆発的な好タイムを記録しながら、決勝で失速するパターンがしばしば見られた彼だが、今回のアブダビは当てはまらなかったようだ。

「マイクは週末を通して順調で、トレーニングフライトまでさかのぼってみても、彼はかなり速い段階で流れを掴んでいた。彼のファイナル4までのレース運びはストレスフリーだった。誤解しないでもらいたいのだが、明らかに好調なフライトをしていたとはいえ、ラウンド・オブ・14で急遽機体を交換したニコラス・イワノフと対戦したマイクにはプレッシャーが逆にかかっていた。しかし、上手く乗り切った。続くラウンド・オブ・8ではマット・ホールより先にフライトしたが、これが結果的にマイクを楽にした。目標タイムが存在せず、さらにはマットが機体に問題を抱えていることを知っている状況でフライトできたからだ。また、ファイナル4も1番手だったので、目標タイムがなかった。個人的に興味があるのは、先に飛んだライバルが良いタイムを記録したあとなど、プレッシャーのかかる状況でマイクがこの調子を維持できるかどうかだ」

 

◾️Information

2018シーズン 第2戦カンヌは4月21日、22日に開催。

第3戦千葉が5月26日、27日に開催決定。観戦チケットが現在発売中。詳細は特設サイト http://rbar.jp でご確認ください。