第8戦ラスベガス:決勝レース後リアクション

ラスベガスでシーズン最終戦の決勝レースが開催され、同時に2015シーズンのワールドチャンピオンも決定した。

The race winner and World Champion

素晴らしいフィナーレとなった。決勝はマット・ホールが優勝したが、ポール・ボノムが2位に入り、マット・ホールを抑えてワールドチャンピオンに輝いた。決勝レース、そしてRed Bull Air Race World Championship史上最もエキサイティングなシーズンのひとつとなった今シーズン、そして早くも楽しみな来シーズンに向けて、パイロットたちがコメントを発表した。

1:マット・ホール
素晴らしい形でシーズンを終えることができた。狙った結果が出せたのは良かった。最低でも優勝と考えていたが、実際に優勝できた。勝つためにリスクを負うことを選択し、その通りに実現できる力があることが分かったのは良かった。機体もチームも好調だが、常に上を目指さなければならない。勝利の美酒に酔ってしまえば、他に道を譲ってしまうことになる。オフシーズンはいくつか調整を行う必要があるが、既にそのプランは立てている。機体も2年間酷使し、再調整が必要なので、地元に連れ帰る予定だ。チャンピオンシップの行方は自分たちではどうすることもできなかったので、とにかく優勝だけを考えていた。今日のフライトの前に既に来シーズンについて考えていたが、今日の結果を考えすぎず、未来を考えられていたという意味では良かったと思う。Red Bull Air Raceは素晴らしいスポーツで、自分も楽しめている。フルタイムで関われているのは本当に楽しい。戻ってくる日が待ちきれない。

2:ポール・ボノム
チャンピオンシップを制することができて気分が良いが、これはチームワークの結果だ。自分は機体を操縦するだけだ。チームがいなければ実現不可能だった。彼らは安定して素晴らしい仕事をしてくれた。このチームはイノベイターであり、クリエイターだ。常に機体を速く飛ばす方法を見つけてくれる。私はただ操縦するだけだ。この結果には本当に満足している。今日はドラマティックだった。最初のドラマはラウンド・オブ・14で、大気中に雨が降り出した。そしてペイントが溶け、計器類に水が入り始めるというドラマもあった。EFIS(電子飛行計器システム)に水が入り、正確な数値を表示しなくなったのが、(ラウンド・オブ・8)で自分のスタートが遅れた理由だ。レース委員会が着陸して修理する許可を与えてくれた。その後の展開は皆さんが知っている通りだ。

3:マティアス・ドルダラー
表彰台3位という結果には満足している。当然、優勝を狙っていたが、3位という結果は自分たちが正しい方向に進んでいることを示していると思う。2016年もこの方向に進んでいきたい。ラスベガスは昨年も3位だったので、基礎はできたと考えている。来シーズンに向けてモチベーションも高まった。今シーズンの経験を来シーズンに活かしたい。2016シーズンは良い結果を出せる自信がある。

4:室屋義秀
最終戦のこの結果には満足しています。フライトも戦術も上手くいっていますね。今日はファイナル4に向けて戦術を用意しました。今までは戦術を用意したことがありませんでしたし、その意味で正しい方向に進めていると思います。来シーズンの準備はできています。ファイナル4では少しスピードを失ってしまいました。理由は分かりません。エンジニアが調べてくれています。

5:ハンネス・アルヒ
レース委員会がポール(ボノム)に再飛行の許可を与えたのは興味深い判断だった。あの判断で自分はファイナル4進出を逃した。だが、シーズン後半の自分の内容を考えれば、チャンピオンシップ3位という結果には満足している。

6:マイケル・グーリアン
ファイナル4に進出できる力はあったと思う。レーストラックに入った時に乱気流が発生し、スタートゲートを193ノットで通過してしまった。これで0.5秒失ってしまった。だが、全力を出し切ったし、タイムも伸ばせたので満足している。今シーズンは成長の1年だった。新チームだったがすぐにまとまり、レースを追うごとに成長していった。2016シーズンはもう既に始まっている。機体をZivkoに送り、来シーズンに向けて大規模な再調整を行う予定だ。

7:ニコラス・イワノフ
酷いミスを犯してしまった。マティアス(ドルダラー)がペナルティを受けたので、あとは自分がクリーンなフライトをするだけだったが、同じミスを繰り返してしまい、スピードを失ってしまった。今シーズンを通じてとにかくミスが多すぎた。2016シーズンは自分のフライトを磨き直す必要がある。機体の調整も多少行うが、フライトの精度を高めるのが課題だ。

8:マルティン・ソンカ
予選のデータを見直して、ミスを確認していたのにこの結果に終わって残念だ。ラウンド・オブ・14ではそのミスを修正できていたが、ラウンド・オブ・8では調子が狂ってしまった。風向きが言われていたのとは違う方向だったので、パイロンヒットに繋がってしまった。また、マット(ホール)が相手だったので攻めの姿勢に出たが、それが別のペナルティに繋がってしまった。

9:フアン・ベラルデ
今シーズン最高のフライトができたのでハッピーだ。マティアス(ドルダラー)がとにかく素晴らしかった。個人的には最後の2レースの内容が特に良かったので、前向きな気持ちでシーズンを終えることができた。ラウンド・オブ・8には1000分の8秒差で進出できなかったが、シーズンが開幕した頃はトップから2秒も遅れていた。チームがハードワークを重ねてくれたのでここまで成長できた。来シーズンが楽しみだ。

10:ナイジェル・ラム
ラスベガスは、今シーズンを要約する内容になった。今シーズンはとにかくアップダウンが激しかった。フォートワースから大きな希望を持ってラスベガスに臨み、機体も正しく調整できたと感じていたが、金曜日は好調、土曜日は不調だった。そして今日は自信を取り戻せていたが、レーストラックの風が強く、暴れ馬に乗っているような感じだった。とはいえ、風が弱かった金曜日とタイム自体は変わらなかったので、満足している。ヨシ(室屋義秀)がレーストラックに入ると風がおとなしくなり、彼が勝利してしまった。ラスベガスの最後の2レースで来シーズンに向けてのモチベーションが高まった。今シーズンの経験をどこに活かせば良いかは把握できている。今シーズンは機体に変化を加えすぎてしまったが、来シーズンはそこを修正したい。

11:ピート・マクロード
アップダウンのシーズンだった。成長できた部分もあるが、苦しんだ部分もあった。今日のフライトは楽しかったが、既に来シーズンについて考えている。今日は難しいコンディションだったが、飛べないわけではなかった。ニコラス(イワノフ)が好タイムを出し、自分はペナルティを受けてしまったというだけの話だ。数日オフを取って、来シーズンへの準備を進めていきたい。機体を多少調整しなければならない。今シーズンは安定したラインを飛ぶだけのスピードを維持するのに苦労していたので、常にプッシュしてリスクを負わなければならなかった。だが、今シーズンを通じて成長できたと思う。分析力がかなり上がったので、落ち着きつつも攻めの姿勢を失わないフライトができるようになった。以前よりも安定した結果が出せるようになってきているので、来シーズンも同じ方向へ進歩していきたい。

12:カービー・チャンブリス
マルティン(ソンカ)が受けた2秒ペナルティにつけ込もうとしたが、自分の機体は土曜のコンディションに合わせた高速仕様になっていた。それが原因でスピードを出しすぎてしまい、機体を傾けるタイミングも誤ってしまった。チームはシーズンを通じてハードワークをしてくれた。機体は問題ない。求めている完ぺきな機体ではないが、改良を重ねられた。来シーズンが楽しみだ。自分の脳を含めたあらゆる部分を再調整して、パワーアップして戻ってきたい。

13:ピーター・ベゼネイ
東からの風がかなり強く、頻繁に変わっていたので、あおられてパイロンヒットをしてしまった。マット(ホール)も同じパイロンでミスをしていたが、これもレースの一部だ。Red Bull Air Raceは初年度から今シーズンまで長年参加してきたが、今シーズンを持って引退することにした。家族を中心に考えつつ、航空ショーに復帰する。昔はよく航空ショーに参加していたが、レース生活を送っているとその時間が取りにくい。自分のために時間を使うというのは大きな決断だった。引退は難しい決断だが、ひとつの扉を閉めれば、別の扉が開く。その新しい別の扉の先には何が待っているのかはまだ分からない。Red Bull Air Raceは素晴らしいイベントで、その成功を嬉しく思っている。私の心は常にRed Bull Air Raceと共にあるが、レースパイロットとしてはもう関わらないだろう。

14:フランソワ・ルボット
ファーストシーズンが終わった。しっかりと考えて、来シーズンに向けて適切なステップを踏んでいきたい。自分は何をするにしても全力を尽くすタイプなので、タイムが出せないこと以外にもストレスを感じてしまった。まずは頭をクリアにして集中できるようにしたい。また、操縦に専念するために、各種手続きやチームの管理を担当してくれるマネージャーを加えたい。