ハンガー必須アイテム ベスト5

レースウィークエンドのチームを支える重要アイテムの数々

The hangars

Red Bull Air Race World Championshipのレースでハンガー(自動車レースで言うところのピットガレージ)を訪ねれば、チームクルーとパイロット、そしてレース機体が目に入るはずだ。しかし、より注意深く観察してみると、"なくてはならないもの" が他にも見つかるはずだ。各チームにとって「これがなければ始まらない」という5つの必須アイテムに加え、彼らの仕事をスムーズにするその他のアイテムについても紹介しよう。

 

その1:TVモニター

世界中のファンが目にしている生中継のレース映像を各チームも観ている。各チームのハンガーにはTVモニターが1台設置されている。

Matthias Dolderer Racingでチームコーディネーターを務めるララ・シグは、次のように語る。「マティアス(ドルダラー)がフライトしている間、わたしたちはTVモニターを通して状況をフォローし、彼のフライトを見守っています。チームタクティシャンを務めるミカエル・ストックとマティアス・ストックの2人もTVモニターを通して戦略分析を行い、どこを改良できるかをチェックしています」

その2:水分・栄養補給

各チームのハンガーには様々なドリンク類と大量の飲料水が常備されているが、食料も重要だ。チームクルーの食事はレースエアポートで提供されているが、各チームはそれぞれお気に入りの栄養補給食をハンガーに持ち込み、長時間作業のエナジー源としている。

Matt Hall Racingでチームコーディネーターを務めるアンドリュー・マスグローブは次のように打ち明ける。「フライトスケジュールが詰まっている日は、マット(ホール)はバナナ1本とプロテインパウダーをミックスしたもので軽めのランチを済ませています。また、ハンガーにはプロテインバーを常備して、いつでも食べられるようにしています。チームメンバーがランチを食べ損ねたり、エナジーブーストとして間食を必要とする場合もありますので、プロテインバーは常にストックを切らさないようにしています」

Hydration
[写真] トップコンディションを維持するには水分補給が欠かせない

その3:ホワイトボード

その日のスケジュールや優先事項を明確に記憶しておくためには、ホワイトボードが欠かせない。マスグローブが続ける。「ハンガー内には2枚のホワイトボードを設置しています。1枚にはチームのその日の予定や重要なインフォメーションが書き込まれ、フライトスケジュールの進行に合わせてアップデートされます。もう1枚にはレース機体の準備を進める際のテクニカルチェックリストを書き込んでいます」

その4:各種デジタル機器

デジタルテクノロジーはレーストラックのライン分析だけではなく、チーム内のコミュニケーションの維持にも重要だ。「コンピューターとシミュレーションプログラムは不可欠ですね」と語るのは、Cristian Bolton Racingでタクティシャンを務めるロドリゴ・トーレスだ。シグが次のように付け加える。「情報のアップデートの確認、チームコミュニケーション、ソーシャルメディアへの投稿などをこなすためにスマートフォンとラップトップはとても重要です。たとえば、わたしは毎晩メッセンジャーアプリ経由で翌日のスケジュールをチームに通達しています。レースウィークは常にオンライン状態です」

Digital devices
[写真] 最新テクノロジーはレースに不可欠な存在

その5:レース機体のメンテナンス用ツール

レース機体のメンテナンス機材が最重要アイテムだということを、全チームが認めている。その中には、工具類だけではなく、各種スペアパーツやラウンド間にエンジンを冷却するためのファンも含まれる。「工具類や各種スペアパーツを収納したボックスには、必需品が全て収まっています。レース機体に生じる問題に瞬時に対処できるように工具や機材を備えています」とマスグローブは語る。

Tools
[写真] チームにとってメンテナンス用ツール類は何よりも重要

その他の必須アイテム

ハンガー内に欠かせない空間が、スクリーンで仕切られたプライベートエリアだ。チームはここでミーティングや戦略分析を行ったり、リラックスしたりしている。各チームはメンバーのニーズに合わせ、テーブルやキャンプチェア、小型ベッドなど、様々なアイテムを持ち込んでこのスペースをカスタマイズしている。多くのチームがハンガーに備えているその他のアイテムとしては、以下が挙げられる。

パワーアダプター:Red Bull Air Race World Championshipは世界各地を転戦するため、どこでも機材が正常に作動するために複数のアダプターを用意しておくのはスマートな考えと言える。

アイスコンテナ:高温のコンディションになると、一部のパイロットはクールスーツを着用する。そのようなパイロットのために、チームは断熱アイスコンテナに氷を満たしてスーツを冷却している。

自転車 / スケートボード / キックスクーター:レーストラックだけでなく、ハンガーでも「時は金なり」だ。ミーティングや食事のためにハンガーからレースエアポートへ移動するために多くのチームがローテクな移動手段を用意している。

Bikes
[写真] 広大なレースエアポートでの移動手段として多くのチームが自転車を持ち込む

移動式階段:レース機体の狭いコックピットへ乗り込む際は、そこへ登るための補助がなければ難しい。そんな時は、移動式階段が大きな違いをもたらす。

ウォーミングアップ用アイテム:楽しいゲームのように見えるが、ダーツボードやジャグリング用ボール、縄跳びなどはパイロットたちの集中力アップとウォームアップに役立つ。

日焼け止め / サングラス:レースの準備作業でも、サインセッションでも、アスファルトに照りつける陽射しは厳しい。

 

sunglasses
[写真] サングラスは眩しい太陽光から目を守り、しかもクールさを演出してくれる

Cristian Bolton Racingのチームコーディネーターを務めるダイアン・ローウレンズによれば、ハンガー内で役立つものがもうひとつ存在するという。ただし、それは無形のものだ。「わたしたちにとっては常に楽しむことが極めて重要ですから、ユーモアとジョークのセンスはチームに決して欠かせないですね!」

 

◾️Information

2018シーズン第5戦カザン(ロシア)が8月25日・26日に開催。