王座防衛:カービー・チャンブリス

2度のタイトル獲得経験を持つ米国人パイロットは、どのようにして集中を維持しているのか?

Chambliss in 2018

レースはたった1回優勝するだけでも難しく、勝ち続けることはさらに難しい。全4回のこのシリーズでは、過去にRed Bull Air Raceでチャンピオンを獲得した経験を持つパイロットたちが成功を収め続けるために、どのようなアプローチを実践しているのかについて探っていく。前回は現ワールドチャンピオンの室屋義秀に話を聞いたが、第2回となる今回は、過去2度のタイトル獲得経験を持つカービー・チャンブリスに飽くなき向上の秘訣を尋ねた。

Red Bull Air Race通算80戦以上を戦ってきたチャンブリスは、最も長く現役を続けているパイロットのひとりだ。これまでに歴代3位となる通算10勝を挙げており、2004シーズンと2006シーズンにはワールドチャンピオンに輝いているチャンブリスは、トップに立つために必要な条件を知っている人物だ。

「世間は『タイトルを獲得した翌年は誰もが苦戦する』と言うが、個人的にはタイトルを獲った次のシーズンは調子が良い。なぜなら、自分にはチャンピオンになれる実力があることが分かっているからだ」とチャンブリスは説明し、さらに続ける。「初優勝は若干の驚きを伴う。『なんてことだ、ついに優勝したぞ!』と思う。しかし、優勝を一定数重ねていくと、勝つことに慣れ、勢いに乗るようになる。こうなれば、新シーズンの開幕戦から優勝することさえ可能だ」

しかし、思い通りに事態が運ばなくなった時は、勢いに乗りさえすれば勝てると言う考えが自分の妨げになるとチャンブリスは指摘する。「開幕から調子が上がらない時"状況がどんどん厳しくなり、思い通りに行かない時"は、勢い任せのアプローチは逆効果だ」と彼は語る。

チャンピオンシップを勝ち取ったパイロットとチームは大きく疲弊する。しかし、新たなシーズンで再びタイトル争いに加わる必要がある。過去の成功にあぐらをかいてはいられない。チャンブリスは最後にこうコメントしている。「勢いに乗るのは悪いことではないが、新たなシーズンに向けてその勢いを正しく調整することも非常に重要だ。その上で、『自分にはできる』という自信を心の奥底に持っておく必要がある。国内でエアロバティックスを戦っていた頃はこの自信を活用していた。連覇を続けていたので、勝利できると信じていた。もちろん、向上のために時間と努力を費やし、正しい行動を積み重ねるのは当然だが、『できる』と意識することで、勝利が簡単に手に入る時もある」

次回は2016シーズンにワールドチャンピオンを獲得したマティアス・ドルダラーに話を聞く。

 

▪️Information

2018シーズン 第2戦カンヌは4月21日、22日に開催。

第3戦千葉が5月26日、27日に開催決定。観戦チケットの一般発売は4月7日からの予定。詳細は特設サイト http://rbar.jp でご確認ください。