王座防衛:マティアス・ドルダラー

2016シーズンのワールドチャンピオンが連覇の難しさを語る

A focused Dolderer

ワールドチャンピオンを獲得したパイロットにタイトル防衛のアプローチを尋ねる『王座防衛』シリーズ。第3回はマティアス・ドルダラーに話を聞く。

2016シーズンのドルダラーの勢いは誰にも止められなかった。ドルダラーは1レースを除く全レースを優勝か2位でフィニッシュし、シーズンを完全制圧した。

シーズン終盤には、多くの専門家がドルダラー王朝の幕開けになるかもしれないと語り、数シーズンに渡って彼がタイトルを独占するだろうと予想した。しかし、2017シーズンのドルダラーは苦しみ、親友の室屋義秀がタイトルを奪い去る様子を眺めなければならなかった。

当時のドルダラーは連覇の重圧にどう耐えていたのだろうか? 本人は2018シーズン開幕戦アブダビで次のように語っている。

「好む好まないを問わず、タイトルを獲得した次のシーズンは、自分やチーム、パートナー、メディア、友人、ファンなど、全方向からプレッシャーがかかるようになる」

またドルダラーは、自分のパフォーマンスが落ちれば、あるいはライバルが追いついてくれば、周囲はネガティブな面だけを取り上げると続ける。

「スタートダッシュに失敗すると、『調子が悪いじゃないか』と言われる。『ファイナル4進出おめでとう』とは言われない。周囲からの期待が非常に大きくなる。そして、周囲からの期待が大きくなれば、自動的により大きなプレッシャーがかかるようになる」

ドルダラーは、集中を保ちタイトルを防衛することの難しさを次のように指摘する。

「連覇を狙うよりも初タイトル獲得の方が簡単だった。ポール・ボノムは2009シーズンと2010シーズンに2連覇を果たした唯一のパイロットだが、これは至難の業としか言いようがない」

チャンピオンシップ制覇に何が必要なのかを知っているドルダラーは、チャンピオンになればライバル全員から追われる立場になることも知っている。この変化が問題になる可能性がある。ドルダラーが続ける。

「チャンピオンを獲得すれば、その栄光は自分だけのものになる。しかし、同時に新シーズンに向けて気持ちを切り替えなければならない。タイトル獲得後は完全にリセットする必要がある。新シーズンを迎えれば、カードはまたシャッフルされるからだ」

「何も保証されていない。年々レベルが上がっていて、タイム差も縮まっている。この状況で大事になるのは、やはり一貫性だ。自分たちはこれを目指している」

では、2018シーズンのドルダラーはどうやってタイトルを奪還するつもりなのだろうか? ドルダラーは最後にこう語っている。

「当然、ワールドチャンピオンを目標に設定しているが、今は目の前のフライトだけに集中している。2016シーズンのやり方に立ち返りながら、様子を見守りたい」

最終回となる次回は、Red Bull Air Race史上唯一の2連覇を達成したポール・ボノムに話を聞く。

 

 

【王座防衛:シリーズ】

 第1回:室屋義秀

 第2回:カービー・チャンブリス

 

 

▪️Information

2018シーズン 第2戦カンヌは4月21日、22日に開催。

第3戦千葉が5月26日、27日に開催決定。観戦チケットの一般発売は4月7日からの予定。詳細は特設サイト http://rbar.jp でご確認ください。