王座防衛:室屋義秀

タイトル防衛を狙う現ワールドチャンピオンはどのような心境で新シーズンに臨んでいるのだろうか?

Muroya knows how to win

どのスポーツでも、頂点に立つためにはハードワークと献身、あらゆる困難を乗り切る自制心の維持が必要だが、一度頂点に立ったあとはどうするのだろうか? どのようにモチベーションを維持して王座を守り抜くのだろうか?

そこで、我々はRed Bull Air Race World Championshipでワールドチャンピオンを獲得した経験を持つパイロット4人にインタビューを試み、タイトルを守るための戦い方を聞き出すことにした。シリーズ第1回目となる今回は、現ワールドチャンピオン室屋義秀に話を聞いた。

Red Bull Air Race World Championship史上屈指の激しいタイトル争いが展開された2017シーズン、室屋はワールドチャンピオンになった。彼はシーズン4勝を挙げたが、他のレースでは苦戦を強いられ、マルティン・ソンカに4ポイント差をつけられた状態で最終戦を迎えた。しかし、彼は2017シーズンのファイナルフライトでそのポイント差を見事に逆転し、タイトルを手にした。

このような接戦でのタイトル獲得は、フィジカルとメンタルの両方でかなりの消耗を強いられたに違いない。タフなシーズンを終えたあと、2018シーズンの室屋はどのようにしてタイトルを守ろうとしているのだろう? 2018シーズン開幕戦アブダビのレース前、室屋は「2017シーズンはもう過去のものです。昨年のトロフィーや勝利は置いてきました」と語り、「昨シーズンにチャンピオンを獲得したことはもう関係ありません。新しいシーズンがやってきました。もう一度チャンピオンを獲得したいですね」と続けた。

このアプローチは室屋とTeam Falkenにとってうまく作用しているようだ。室屋はアブダビで2位表彰台を獲得。優勝こそ逃したが、開幕戦での自己ベストとなるリザルトに比較的満足している様子が窺えた。

「ワールドチャンピオンというのは一種のプレッシャーではありますが、私の場合はそのプレッシャーをより強くなるために利用しています。チームはこれまで多くを学び、多くの経験を積んできました。ですので、今年はさらに良くなるはずです」と室屋は語る。「チャンピオンシップは非常に厳しい戦いです。今シーズンは昨シーズンより接戦になるかもしれませんが、落ち着いてスタートできたと思います」

十分な自信が持てる素晴らしい開幕戦を終えた室屋だが、続くレースに落とし穴やチャレンジが待ち受けていることは誰よりも強く認識している。室屋は長いシーズンにどう立ち向かうのだろうか?「シーズンは長いですし、10カ月間頑張り続ける必要があります。ですので、各レースのリザルトにはこだわりません。レース毎により速くより強くなり、ワールドチャンピオンを目指して着々と進んでいきます」と彼は締めくくった。

次回は、2004シーズンと2006シーズンに2度のチャンピオンを獲得したカービー・チャンブリスに話を聞く。

 

■Information

2018シーズンの第2戦は、4月21日、22日に初となるフランス・カンヌで開催。