シャークスキンとは?

ウイングレットは機体に加えられる変更の中で最も分かりやすいもので、誰もがひと目で確認できる。しかし、キャノピー、ボルテックスジェネレーター(機体のストールを抑える)、エルロンフェンス、エアインテーク、そして翼を覆うシャークスキンなど、機体にはちょっと見ただけでは分からない小さな変更も数多く加えられている。

シャークスキンは最新の技術ではないが、ウイングレットとは異なり、注目されるまで時間がかかった。Red Bull Air Race World Championshipが再開した2014シーズンに故ハンネス・アルヒが初めて導入したあと、他のパイロットはしばらく疑いの目を向けていたが、最近は導入するパイロットが増え始めている。

Red Bull Air Raceでは共通のエンジンとプロペラを使用することがレギュレーションで決められているため、各チームは空力を調整し、空気抵抗を最小限に抑えることでライバルに差をつけなければならない。シャークスキンはその目的のために導入される変更のひとつだ。

(↑写真)機体に導入されたシャークスキンをチェックするペトル・コプシュタイン

では、シャークスキンとはどのようなものなのだろうか? シャークスキンとはその名の通り、サメの体表のテクスチャを再現した合成繊維だ。以前は滑らかな表面ほど、空気抵抗が減り、空力性能が向上すると考えられていた。しかし、様々な研究や実験が行われた結果、最近は表面がある程度ざらついている方が、空力性能が向上すると考えられている。

サメの体表は、自然によって生み出されたパーフェクトな空力効率と合理性が備わっている。海中をスピーディかつ滑らかに泳いでいるサメを遠くから見ると、体表はとてもスムースに見えるが、近づいて見ると、サメの体表は隆起しているギザギザのうろこで覆われている。この隆起の隙間が体表の水流をスムースに整える助けとなり、抵抗を生む原因となる渦の発生を防ぐ。この隆起とうろこが、サメがスピーディに泳げる秘密なのだ。

(↑写真)光り輝くマット・ホールのシャークスキン

これは航空機の空力にも応用することができる。合成繊維のシャークスキンは、フライト中の機体の表面を流れる気流を整え、抵抗を少なくする。よって、シャークスキンを導入すれば、燃費が良くなるというボーナスも得られる。

Red Bull Air Raceでは、2014シーズン以来数人のパイロットがシャークスキンを導入してきた。たとえば、マット・ホールは2016シーズン終盤から導入し、新機体Edge 540に乗り換えたあとも引き続き使用している。また、マイケル・グーリアンも導入している他、2017シーズン第2戦サンディエゴではペトル・コプシュタインが最新のシャークスキンを披露した。コプシュタインは「自分たちが導入したのは最新バージョンのシャークスキンで、Red Bull Air Raceのパイロットでこのバージョンを機体に導入したのは自分たちが初めてだ」とコメントしている。

尚、シャークスキン導入で何か違いが感じられたのかについて質問されたマット・ホールは、次のコメントをしている。「0.010秒差で勝利を逃して『導入しなかったのが敗因だ』と悔やむより、導入しておく方が良いだろう(笑)」

 

■Information

 2017シーズンも残り2戦。大きな局面を迎える第7戦ラウジッツは9月16日、17日に開催。ライブストリーミング配信の視聴は こちら>>

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